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木造住宅、耐震等級3「相当」の意味は

後述するテスト物件の架構3D表示

最近は建て主の方々も、実際に家を建てる段階で、情報収集を行われています。
高い買い物ですから、そりゃあ勉強するというもの。

今はインターネットでいろいろな情報が手に入ります。

ただ、書き方が間違えていたり、不足していたりする情報を断片的に揃え、一つにまとめ上げていらっしゃるので、部分的に取り違えていたりすることもあります。

性能表示制度という言葉もお耳にされている方々も多いと思います。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)という法律で、住宅に関して、こういう項目についてはこの内容で、ここまでクリアしていれば「等級*」として表示できるようにしましょう、という内容となっています。

(正しくは、表示のための共通ルールが「日本住宅性能表示基準」、表示すべき性能に関する設計図書の評価や検査の方法が「評価方法基準」とされています)

これは、車などは具体的な性能(馬力やトルク、重量など。乗り味は主観的な部分なのでありませんが)で比較検討できますが、この法律ができるまでは住宅について国内一律の基準がありませんでした。
(というのも語弊がありますが、いくつかの項目はCASBEEなどで規定はありました)
建築について一般の方々も性能で比較しやすいように項目を定め、その定めたことについて等級いくつ、という言葉でわかるようにしよう、という法律です。

ところで、建物について最も期待されていることは何でしょうか?
統計では、

第一に、災害時の命の確保
第二に、温熱環境で快適に、健康に生活できるか

このあたりが建築主様が重視するものとなっています。
これにプラスしてデザイン、使い勝手が問われるものであると思います。
この二項目については、耐震等級、断熱等級、空気環境(シックハウス)で規定されています。

この表示制度、基準に則っていれば確かに有効なものであると思われますが、混同しやすい表記の仕方で「相当」とされている場合があります。
耐震等級3とは、基準法で定める強度(とここでは表記します)の1.5倍ありますよ、というものですが、「相当」というものは恐らく第三者機関のお墨付きが無い可能性があります。

この表示制度、例えば「耐震等級3取得」を詠うには、設計住宅性能評価を受けるか、フラット35の耐震等級で審査を受けるか、長期優良住宅で等級3として審査を受けるか、大体この3つのいずれかで第三者機関の審査を経なければ「相当」の文字を除くことができません。

更に言うと、お墨付きが得られていないために、どこまで計算しているのかがなかなか分かりづらいものとなっているのかもしれません。
性能表示基準では、壁量計算でも、許容応力度計算でもどちらでも良いものとなっていますが、上物だけの計算なのか、基礎、底版を含めて計算をしているのか、物件の担当者に聞かないとわかりません。

というのも、住宅で2階建ての500㎡までは、建築士が設計したものであれば確認申請で構造計算をする必要が無いので、この構造計算書が審査されていないのです。
大部分の住宅はこの範囲に収まっているので、構造計算書の添付はされていません。
審査は省略されているだけなので、もちろんバックデータとして検討はしなければなりません。

この検討も、

1.仕様規定(4分割法)
2.壁量計算
3.許容応力度計算
1→3にかけて計算は難しくなります。

実際に計算をかけてみると、
1.仕様規定による梁、金物はかなり絞っても成立しますが、
同じ建物でも
3. 許容応力度計算を行うと、びっくりするぐらい梁の断面が大きくなる部分、耐力の大きな金物が必要になる部分、基礎の主筋を増やさなければならない部分、が出てきます。

バランスの良い壁位置、耐力壁位置を意識してプランを作っていくと、それほどでもなくなることもありますが、計算するとびっくりします。

余談ですが、長期優良住宅、設計住宅性能評価を受けるには、必須項目が耐震性以外にもありますので、この二つを得るのでなければ、制度の利用は費用もかかってしまいます。

「耐震等級3」のお墨付きを得る、現在のところ最も安く済みそうなのが、フラット35Sの金利Aプラン、耐震性の審査を受けることです。
いやいや、フラット35は使わないよ、という場合でも、第三者機関での技術的審査と現場検査による適合証を受けることで、「耐震等級3」の正式なお墨付きが得られます。銀行ローンなので借り入れでフラット35は使わなくても、この審査制度を利用することは可能です。
場合によっては、この適合証があることによって、地震保険が半額になる制度も使うことができるかもしれません。
特に、建売住宅でこの制度を利用し、正式に「耐震等級3」として詠うことは、購入者に対して誠実にアピールできることになるのではないでしょうか。

工務店様で構造計算に自信が無い、お客様に説明を求められていて計算書を提示したい、という場合にも、住宅性能評価員の在籍する当事務所で構造設計を承れます。もちろんフラット35の申請代行もできます。また、確認申請の代行からすべての書類手続きも承れます。
是非ともご検討くださいませ。

例えばのモデルケースでの許容応力度計算例を掲載しておきます。
どうぞご参考までに。