郵便で国土交通省から何か届いたので開封してみると…
改正建築物省エネルギー法の施行についての案内でした。
令和3年4月1日から、 改正建築物省エネルギー法が施行されます。
今までは、
300㎡未満の建築物は適合努力義務のみ(エネルギー基準に適合ではない)、
300㎡~2000㎡未満は特定行政庁への届出義務( エネルギー基準に 適合ではない)、
2000㎡~は適合判定義務( エネルギー基準に適合しなければならない)
となっていました。
これが、 令和3年4月1日から、
住宅については
300㎡未満は適合努力義務と省エネルギー性能について建築主への説明義務(エネルギー基準に適合ではない)、
300㎡~ は特定行政庁への届出義務( エネルギー基準に 適合ではない)、
非住宅については、
300㎡未満は適合努力義務と省エネルギー性能について建築主への説明義務(エネルギー基準に適合ではない)、
300㎡~ は適合判定義務( エネルギー基準に適合しなければならない)
と、やや厳しくなることになりました。
ですので、 令和3年4月1日 以降に建築する場合には省エネルギー性能について説明がされていない場合は、おかしいということになります。
もちろん、昔ながらの通風を最大限考慮した建物で、省エネルギー性能基準に適合しなければならないともできませんので、「説明義務」というところで手を打ったというところでしょう。
建物の省エネルギー性能、ひいては断熱性能については施工方法が浸透してきて、計算もそれほど難しくはありません。
ただ、個人的には片手落ちだなーと感じるところは、気密性能についてが相変わらず基準が無いところです。
高断熱住宅であれば、必ず気密性もセットで確保しないと、内外の温度差が大きくなることによって壁内結露の恐れが高まりますし、建物の実効断熱性能も落ちてしまいます。
更には、耐震性能も上げていかないと地震力によって建物の変形が大きくなり、気密層が破れ、 実効断熱性能も落ち、壁内結露によって建物の寿命も短くなって、建物の資産価値が低下してしまいます。
「断熱性能UA値」「気密性能C値」「耐震性能品確法等級3」、この3つをセットで考え、更には夏季の日射遮蔽、冬季の日射取得などのパッシブ性能も考慮することで、真に快適な住宅が作れるものと考えています。
冬の室温を3度上げることで、健康寿命が延びることのエビデンスも報告されています。
これから住宅の建築をお考えの方は、少なくとも上記の3点、可能であれば日射取得遮蔽についても考慮された設計内容かどうかを確認されることをオススメしています。
「断熱性能UA値」
「気密性能C値」
「耐震性能品確法等級3」
このそれぞれだけでも、かなり関連する部分も多いですし、考慮すべき部分がたくさんありますので、ここでは割愛します。
また時間のある時にでもまとめられたらと考えています。